愛犬がトイレに失敗するようになったとき、「しつけのやり直しが必要なのかな」と悩んでいませんか?
シニア犬のトイレ失敗は、しつけの問題ではありません。老化による体の変化が原因であることがほとんどです。
この記事では、シニア犬がトイレを失敗する6つの原因と、飼い主さんが今日から始められる対策をわかりやすくお伝えします。ゴールデンレトリバーなど大型犬を飼っている方向けのポイントも詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
シニア犬がトイレを失敗する「本当の原因」を知っていますか

7歳以上のシニア犬にとって、トイレの失敗は珍しいことではありません。むしろ、老化のサインとして自然に起きることが多いのです。
ただし「老化のせいだから仕方ない」で終わらせると、見逃してはいけない病気のサインを見落とす可能性があります。まずは原因を正しく知ることが、適切なケアへの第一歩になります。
原因① 膀胱や括約筋の筋力低下
老化が進むと、尿を膀胱に貯める力や、排泄をコントロールする括約筋の機能が弱くなります。
「トイレに行こうと思ったけど間に合わなかった」——人間でいえばそういうイメージです。
特に寝ている間や寝起きに、知らないうちに漏れてしまうケースが多く見られます。筋肉の締まりが弱くなると、逆に尿を出しきれず残尿が少しずつ漏れるパターンもあります。
原因② 腎臓機能の低下による多尿
シニア犬に多いのが、腎臓の機能が衰えることによる多尿です。
おしっこの回数が増え、量も多くなると、どうしてもトイレが間に合わないことが起きやすくなります。飲水量が増えていないか、おしっこの色が薄くなっていないかも一緒に確認してみましょう。
腎臓の問題は早期発見がとても大切です。おしっこの変化が続くようであれば、獣医師に相談することをおすすめします。
原因③ 膀胱炎・尿路感染症
細菌感染による膀胱炎は、シニア犬に起きやすい病気のひとつです。
炎症があると膀胱に尿を貯められず、頻繁にトイレに行きたがる・行ったのに少ししか出ない・血尿が見られるといった症状が出ることがあります。
この場合は自宅ケアではなく、獣医師による治療が必要です。「また失敗した」と見過ごさず、症状の変化を注意深く観察しましょう。
原因④ 認知症(犬の認知機能不全症候群)
犬も認知症になります。トイレの場所を忘れてしまったり、排泄のタイミングがわからなくなったりすることがあります。
「前はできていたのに、最近突然トイレを外すようになった」という場合は、認知症の可能性も考える必要があります。
夜鳴きや目的なく歩き回る行動なども見られるようであれば、早めに獣医師へ相談しましょう。
原因⑤ 関節痛・椎間板ヘルニアによる移動困難
「トイレに行きたい気持ちはあるのに、体が痛くて間に合わない」というケースもあります。
関節炎や椎間板ヘルニアがあると、トイレまで歩いていく動作自体がつらいのです。トイレに向かうのを嫌がる・腰を落とした姿勢で歩く・段差を嫌がるといったサインが見られたら、痛みが原因かもしれません。
痛みのあるシニア犬にとって「失敗」はわざとではなく、体のつらさの表れです。
原因⑥ ホルモン性尿失禁(避妊手術後のメス犬に多い)
避妊手術をしたメスのシニア犬では、女性ホルモンの減少によって括約筋の締まりが弱くなる「ホルモン反応性尿失禁」が起こることがあります。
寝ているときに知らないうちに漏れてしまう、という症状が典型的です。獣医師による診断と治療で改善できる可能性がありますので、一度相談してみましょう。
これだけ原因がさまざまだからこそ、「なぜ失敗しているのか」を見極めることが第一歩になります。次の章では、自宅でできる具体的な対策をお伝えします。
今日から始められる!シニア犬のトイレ失敗対策6つ

原因がわかれば、対策も立てやすくなります。ここでは飼い主さんがすぐに実践できる対策を6つご紹介します。
対策① トイレの場所を増やして「近くする」
最も効果的な環境改善は、トイレの距離を縮めることです。
愛犬が普段過ごす場所の近く、寝床のそば、よく滞在するリビングの隅など、複数箇所にトイレシートを置きましょう。「行きたいと思ったときに、すぐそこにある」という状態を作ることが大切です。
対策② 足腰に優しい床環境を整える
フローリングは滑りやすく、足腰の弱ったシニア犬には大きな負担になります。
トイレまでの動線に滑り止めマットやカーペットを敷いてあげると、移動しやすくなります。トイレの中も同様で、滑らないよう工夫することで排泄の姿勢が安定します。関節への負担も軽減できるため、一石二鳥の対策です。
対策③ トイレのサイズを見直す
年齢とともに動作が大きくなったり、向きを変えるのが難しくなったりします。
トイレシートのサイズを大きくする、または縁のない平らなタイプに変えることで、失敗が減ることがあります。体の大きさや動きに合ったトイレ環境は、見落とされがちな重要ポイントです。
対策④ 排泄のタイミングを記録してパターンをつかむ
「何時間おきにトイレに行くか」を記録しておくと、失敗を防ぎやすくなります。
食後や起床直後などはトイレのタイミングになりやすいので、そのタイミングに合わせてトイレへ誘導するとよいでしょう。記録をつける習慣をつけると、体調の変化にも気づきやすくなります。
対策⑤ おむつやマナーウェアを活用する
どうしても失敗が続く場合は、犬用のおむつやマナーウェアを活用しましょう。
素材が柔らかく、長時間着用しても蒸れにくいものを選ぶことが大切です。また、おむつの中が汚れたままだと皮膚トラブルにつながるため、こまめなチェックと交換を心がけましょう。
対策⑥ 異変を感じたら早めに受診する
前述の通り、膀胱炎・腎臓病・認知症など、病気が原因の場合は自宅ケアだけでは限界があります。
急に失敗が増えた・血尿が出ている・水をたくさん飲むようになった・元気がない食欲が落ちた——このようなサインが見られたら、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
病院へ行くべきサインを見逃さないで

「様子見でいいかな」と感じても、以下のような症状が出ているときは早めの受診をおすすめします。
すぐに受診すべき症状
- 血尿・尿がほとんど出ない
- 排泄時に痛そうに鳴く・震える
- トイレのたびに量がごく少ない状態が続く
- 急激に食欲がなくなった・ぐったりしている
これらは、膀胱炎・尿路結石・腎臓病・前立腺疾患(オス)などの病気のサインである可能性があります。
関節の違和感は早期に気づくほど対処の選択肢が増えます。逆に「様子見」が続くと、回復に時間がかかることも少なくありません。
様子を見てよいケース
- 老化によるゆっくりとした失敗の増加
- 寝ているときに少量漏れる(ただし続く場合は相談を)
- トイレの場所が少しずれるようになった
様子見でいい場合でも、「変わらない」ではなく「少しずつ悪化していないか」を見続けることが大切です。記録をとりながら推移を観察しましょう。
大型犬の飼い主さんへ:サイズ別の対応ポイント

ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ハスキーなど大型犬は、シニアになってからのトイレ介助が特に大変になりやすいです。
ゴールデンレトリバーの場合
ゴールデンレトリバーは10歳を超えるころから、関節疾患(股関節形成不全・変形性関節症)が出やすくなります。
痛みから「腰が落ちる」「動き出しがつらそう」という様子が見られることがあります。トイレが間に合わない原因が「痛み」にある場合は、まず痛みのケアを優先しましょう。
室内にトイレシートを十分な広さで敷き、移動距離を最小限にする工夫が有効です。また体が大きいため、おむつが合わないケースもあります。大型犬用のサイズを選ぶか、マナーパンツとパッドの組み合わせで対応するとよいでしょう。
ハスキーの場合
ハスキーは運動量が多い犬種のため、老化による筋力低下が出ると生活の質に大きく影響します。
トイレの失敗が出始めたら、「動けているうちに筋力維持のケアを」と考えることが重要です。散歩時間を短くしても頻度を上げるなど、無理のない範囲で体を動かし続けることが大切です。
大型犬共通:ハーネスでの排泄サポート
体が大きい犬を抱えてトイレ誘導するのは現実的ではありません。後ろ足・腰をサポートするハーネスを使うと、立った姿勢を安定させながら排泄のサポートができます。
専用の「歩行補助ハーネス」は各種ペット用品店やオンラインショップで入手できます。シニア犬の介護・ケアについては介護・ケアカテゴリもあわせてご参考ください。
まとめ
- シニア犬のトイレ失敗は「しつけの問題」ではなく、筋力低下・病気・認知症など老化によるさまざまな原因で起きます
- トイレの場所を近くする・床の滑り止め・おむつの活用など、環境を整えることで大きく改善できます
- 急な変化・血尿・元気消失が見られる場合は、早めに獣医師へ相談しましょう
「失敗するからダメな子」ではありません。体が変わっていくなかでも、できる限り快適に過ごさせてあげたい——その気持ちをひとつずつカタチにしていきましょう。
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