深夜の夜泣きや排泄の失敗、食事の介助……毎日の介護に疲れを感じながらも、「施設に預けるなんて」とためらっていませんか?
「まだ大丈夫」と思いながらも、心のどこかで限界を感じている飼い主さんは少なくありません。愛犬のことが大切だからこそ、罪悪感を持ってしまうものです。
でも、施設を利用することは「あきらめ」ではありません。プロのケアを受けることで、愛犬がより快適に、安全に過ごせる場合もあります。
この記事では、老犬介護施設の種類・費用相場・選び方5つのポイントをわかりやすく解説します。大型犬の飼い主さんが特に気をつけるべき点も合わせてお伝えしますので、最後まで読んでみてください。
老犬介護施設にはどんな種類があるの?

ひとことに「老犬介護施設」といっても、その形態はさまざまです。まずは代表的な3つのタイプを整理しておきましょう。
入居型(老犬ホーム)
入居型は、愛犬がそのまま施設に住む形態です。24時間スタッフが常駐し、食事・排泄・投薬などのケアを専門スタッフが担います。
費用は月額3万〜15万円が目安です。都市型の施設は高め、郊外型は比較的リーズナブルな傾向があります。認知症や寝たきりなど、常時介護が必要な状態になった場合に検討する飼い主さんが多いです。
入居後も定期的な面会は可能です。施設によっては週末に自宅へ連れ帰れる「外泊制度」を設けているところもあります。愛犬との時間を大切にしたい場合は、面会や外泊の制度についても事前に確認しておきましょう。
日帰り型(デイサービス・デイケア)
日中だけ施設を利用し、夜は自宅に帰ってくるスタイルです。仕事などで日中に目が届かない飼い主さんに向いています。
費用は1日2,000〜5,000円程度。運動機能の維持を目的としたリハビリプログラムを提供している施設もあります。施設に慣れるための「お試し利用」としても活用しやすく、入居を検討する前にまずデイサービスから始めてみる飼い主さんも多くいます。
週2〜3回だけ通うといった柔軟な使い方もできるため、在宅介護と組み合わせる形で取り入れる方も増えています。
短期預かり型(ショートステイ)
数日〜数週間単位で愛犬を預かってもらえるサービスです。飼い主さんの入院・旅行・冠婚葬祭など、急な事情が生じた際に役立ちます。
通常のペットホテルとの大きな違いは、介護に特化したスタッフがいることです。排泄介助・投薬・夜間の見守りなど、医療的なニーズにも対応できる施設を選ぶことが重要です。
費用は1泊5,000〜1万5,000円前後。期間が長くなるほど入居型の月額費用と比べてお得になる場合もあります。施設によっては月2回・各3泊まで、といった利用上限を設けているところもあるため、事前確認が必要です。
次の章では、この3種類の中から「どの施設を選ぶか」を絞り込む5つのポイントをお伝えします。
老犬介護施設を選ぶときに確認したい5つのポイント

後悔しない施設選びのために、以下の5つのポイントを必ず確認しておきましょう。
①スタッフの資格と体制
動物看護師・トリマー・老犬介護士などの有資格者が在籍しているか確認しましょう。夜間の見守り体制も重要です。「昼間は3人、夜間は1人」といった具体的な人員配置を施設スタッフに聞いておくと安心です。
スタッフの離職率が高い施設は、ケアの質が安定しない傾向があります。「長く勤めているスタッフが多いか」という点も、見学時の自然な会話の中で確認できると良いでしょう。
②医療対応の可否
かかりつけの動物病院と連携しているか、投薬・注射・点滴などの医療行為に対応できるかを確認します。
施設内に獣医師が常駐していない場合でも、「近隣の動物病院と提携している」「緊急時はすぐに搬送できる体制がある」といった点を聞いておきましょう。突然の体調変化に対応できない施設では、大切な時間を逃してしまう可能性があります。
③見学・体験利用ができるか
入居前には必ず見学しましょう。写真や説明だけでなく、実際に施設を訪問することで、においや雰囲気、スタッフとの相性を肌で感じることができます。
可能であれば愛犬も連れて行き、スタッフの接し方や愛犬の反応を観察しましょう。デイサービスの「体験利用」がある施設では、1日預けてみることで実態がよくわかります。
④契約内容と追加費用の確認
月額費用に含まれるサービスと、追加費用が発生するケースを細かく確認しましょう。「トリミング代は別」「投薬は1回につき○○円」といった費用の積み重ねで、予算を大きくオーバーするケースがあります。
また、解約時の条件も重要です。「1ヶ月前の通知が必要」「敷金は一部返金なし」といった条件が含まれることもあります。契約書はしっかりと読み、不明点は署名前に必ず確認してください。
⑤衛生状態と生活環境
消臭・清潔感・スペースの広さは、実際に見学しないとわかりません。犬同士を分けて管理しているか、運動できるスペースがあるか、日当たりや換気状態はどうかといった点も、見学時の大切なチェックポイントです。
老犬介護施設を利用し始めるタイミングや、在宅介護が限界のサインについては「老犬介護が始まるサイン8つ|見逃せない変化と早期対応ガイド」も参考にしてください。
では、実際に「いつ預けるべきか」という判断はどうすればいいのでしょうか。次の章でお伝えします。
「施設に預けるべきタイミング」はいつ?

老犬介護施設の利用を考えるうえで、多くの飼い主さんが悩むのが「いつ預けるべきか」という問題です。答えは一つではありませんが、目安となるサインをお伝えします。
こんな状態になったら施設を検討するサイン
以下のような状態になったとき、施設利用を検討する時期かもしれません。
- 24時間目が離せない状態になった(夜泣き・徘徊・転倒リスクが高い)
- 食事・排泄のすべてに介助が必要になった
- 毎日の投薬・点滴など医療的なケアが必要になった
- 飼い主さん自身が体調を崩し始めている
これらの状態になると、在宅での介護だけでは十分なケアが難しくなります。プロの手を借りることで、愛犬の生活の質を守ることができます。
飼い主さんが「もう限界」と感じたとき
「施設に預けたい」と思うことに、罪悪感を持つ必要はありません。飼い主さんが健康で心に余裕を持っていることが、愛犬にとっても一番の幸せです。
介護疲れが進むと、かえって愛犬へのケアが不十分になってしまうことがあります。「自分のために預ける」のではなく、「愛犬のために最善のケアを選ぶ」と考えてみてください。
仕事をしながら老犬介護に向き合っている飼い主さんには、「老犬介護と仕事の両立を諦めない|留守中の不安を減らす7つの対策」も合わせてご覧ください。
かかりつけ獣医師に相談してから動く
施設を選ぶ前に、かかりつけの獣医師に「愛犬にはどのようなケアが必要か」を確認しておきましょう。医療的なニーズに合わせた施設選びができます。
施設見学の際は、愛犬の診断書・投薬記録・既往症をまとめたメモを持参すると、スタッフとの話がスムーズになります。「この疾患への対応経験はありますか?」と率直に聞いてみることも大切です。
こうした準備を整えたうえで、特に大型犬の飼い主さんに知っておいてほしい注意点があります。次の章で犬種別に解説します。
大型犬・犬種別の施設選びで気をつけること

大型犬の介護施設選びには、小型犬とは異なる注意点があります。施設の数も限られるため、早めに情報収集を始めることをおすすめします。
ゴールデンレトリバーの場合
ゴールデンレトリバーは平均10〜12歳で高齢期に入ります。体重は25〜35kgほどあるため、寝たきりになると体位変換や移動の介助に専門的なスキルと体力が必要です。
施設を選ぶ際は、「大型犬の受け入れ実績があるか」「介護リフト・スロープなどの補助器具が揃っているか」を必ず確認しましょう。
また、ゴールデンは股関節形成不全や心臓病のリスクが高い犬種です。これらの疾患への対応経験があるスタッフがいるかどうかも、重要な選択基準になります。施設によっては「小型犬のみ受け入れ」としているところも多いため、問い合わせ段階で体重や犬種を伝えておくことが不可欠です。
大型犬OKの施設は数が限られています。余裕を持って探し始めることをおすすめします。
老犬ホームの選び方や費用相場については、「老犬介護ホームの選び方5つのポイント|費用相場と大型犬を預ける時の注意点」でも詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
ハスキー・ラブラドールの場合
ハスキーはもともと体温調節が得意な犬種ですが、高齢になると暑さへの耐性が落ちてきます。施設内の温度管理・換気状態は、見学時に実際に感じて確認しましょう。夏場や暖房が効きすぎる部屋では体調を崩すリスクがあります。
ラブラドールは肥満になりやすく、体重が増えることで関節への負担が大きくなります。食事管理のプログラムがある施設や、水中ウォーキングなどのリハビリに対応した施設を選ぶと、シニア期の体をより長く維持できます。
どちらの犬種も、大型犬の扱いに慣れたスタッフがいるかどうかを、見学時に実際の様子を見て判断することが大切です。他の犬への接し方や、施設での動き方を観察してみてください。
まとめ
- 老犬介護施設には「入居型・デイサービス・ショートステイ」の3種類があり、愛犬の状態と飼い主さんの状況に合わせて選ぶことが大切です
- 施設選びは「スタッフの資格・医療対応・見学の可否・契約内容・衛生環境」の5つのポイントを確認しましょう
- 大型犬(ゴールデンレトリバー・ハスキー・ラブラドールなど)は受け入れ施設が限られるため、早めに情報収集を始めることをおすすめします
施設に預けることは、愛犬への愛情を手放すことではありません。専門家の力を借りて愛犬の毎日を支えることは、飼い主さんにしかできない判断です。
焦らず、一つずつ確認していきましょう。わが子のために、できることをひとつずつ。
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